本薫寺のご信者は何故よく御利益を頂くか! というとそれは「現世即身成仏」現在自分自身が仏になってゆく御信心だということです。
話は変わりますが、NHKのテレビドラマで「おしん」という劇映画が放送されたことがあります。悲劇の幼い主人公が苦境に堪え生き抜いてゆく姿がいじらしく視聴率も高かったようです。おしんがいじめられている場面では、年寄り等が「あのくそ婆め! 私ならあのおしんを助けてやるのに!」涙をふきふき言って激している光景をよく見受けました。然しその実、その婆さんは現実に戻りますと嫁いじめをやっています。これは仏教では〃菩薩界の一分なり〃と言われ、人間の心の底には菩薩の心(仏になるもとの心)がある証拠だとされ、ほんのそのかけらが出たのだと言われています。
人間は元来、罪障(業)が黒々として深く、心の奥底にある菩薩の心のほんのかけら一分は出ても、全面的に表面化しないのです。これを全面的に表面化させるのが、本門八品上行所伝の南無妙法蓮華経お題目の御信心です。この上行所伝妙法の御信心は下種と言われ御経力によって仏の生命である妙法を人の心の根源に下して頂き、人の心の底にある菩薩心(仏の因)を顕わしてくるのです。心の根が菩薩心として変われば、その人の人格も変わりますし、(人間が菩薩の役に替わる)血液の循環、肉体迄変わります。そしてそれを取りまく環境、森羅万象、霊界すべてに迄影響すると云われています。それが大尊師御指南で『名字即の凡夫自在の神力をあらわす』といわれ、お題目を唱える信者は単なる凡夫人間ですが、自由自在の仏の力をあらわすという御利益現証として、自分にも人にも顕わす不思議の世界が現出するのです。これが「現世即身成仏」現在、因の如来(仏)という菩薩になってゆく姿です。現在仏になれば未来は成仏間違いありません。現在仏にならずして未来仏になる道理は無いとお祖師様は仰せられています。 話は少し変わりますが、ニューサイエンス(最近最も新しい科学)のユング心理学で、宗教は〃全体性〃でなければならないということがいわれています。この心理学の〃全体性〃ということは、心を部分々々としてとらえるのでなく、心を全体としてとらえ全き人間理想像としての人間に至らしめてゆくことです。ユングは『人はこれをよく議論するが、いざ実際に自分がその生き方をしてゆこうするときには、それはそれ、これはこれと逃げて、部分的なとらえ方(部分心理学)を好んでしてゆこうとする誤りを犯す』と言っております。仏立宗を築かれた日扇上人大尊師の御指南を拝見しますと、「現世即身成仏」を全体性として心濃やかにその御信心の仕方をお教え頂いています。本薫寺は大尊師の御指南をば厳としてそのまま頂く御信心の環境としています。 現在宗内が御利益を余り頂かなくなっているということをよく聞きますが、宗門の現代化・現代調といい(それは、もう実は過去の遺物になっているのに、それに気がついていない亡者が多い)、それはそれ、これはこれとする部分心理学的な御信心の風潮が横行しているからです。〃本薫寺のご信者がよく御利益を頂くのは現世即身成仏としての御信心が確立しているからだ〃ということです。
植田日因(淳明)