御利益談
「原因不明の病が一夜にして消え避けられぬ手術を免れる」
筆者 第二城西教区 第五本要組 前田陽子
私は親の代からの四十数年にわたる信者です。主人も私と結婚してからの御信心で約三十年の信心歴になります。主人も私も家業に励み、初めのうちは大して強く御信心をするということもなく、何とか皆さんについていくというぐらいの信心前でした。それでも昭和五十七年、主人が組長のお役を頂くころには、何とか責任の御奉公は果たさせて頂こうと私共なりにお参り、口唱等に頑張ってきておりました。そんな中で、十二、三年くらい前からなんですが、私は二、三年に一度ぐらいの割で左のまぶたがおちて目がふさがってしまうという変な病気に悩まされておりました。自力で目を開けることができなくなり、左の肩から頭にかけてしびれと鈍痛がするという症状でした。方ぼうの眼科や脳外科で診てもらいましたが、いずれでもはっきりした原因はわからずじまいでした。今から考えると御信心のない話ですが病院で治療したり、針灸、マッサージ等をするとどうにか元に戻っておりましたので、御法様におすがりするという一番大切なことが欠けておりました。そんなわけだからでしょうか、昨年(平成四年)の十二月ころから、この症状がまた現れ始めたのです。近くの脳神経外科病院にかかりましたが、今回は一か月経過しても症状がなかなか良くなる気配がありませんでした。主治医も心配し、大学病院で精密検査を受けるようにと紹介状を書いてくれました。私も今度こそは原因をはっきりさせて持病の煩わしさから解放されたいと思い行くことにしました。
大学病院では、まず内科でレントゲンや血管造影等いろいろな検査を受けましたが、やはり原因ははっきりわからないとのことでした。そこで一月の末ごろ耳鼻咽喉科に回され、鼻のまわりの検査をしてもらうことになり、レントゲン写真をとってもらったのです。それには、鼻の奥の所に白い影がはっきりと写っていました。素人の私にもよくわかりました。医者はそれを見ながら「これは切開手術をして、そこの細胞組織を採って検査してみないと何とも言えない」と言い、結局手術をすることになりました。ベッドが空くのを待って二月二日入院、五日に手術と決まりました。
家に帰ってはみたものの、何も手につかず、病院でのことが思い出されました。〃原因はわからない、写真に影は写っている、もしかしたらガン? 〃などと悪い方へ悪い方へと考え、顔の切開手術に対する不安も重なり、胸の内が悶悶として夜も眠れない状態でした。それでどうしようもなくなって御講師様にお話することにしました。そして入院の前夜二月一日に息子夫婦、娘夫婦と共にお折伏を頂くことになりました。
御講師様は最初に「それはあなた方の御信心に問題がありますね」と言われ、組長である主人に「本門の御題目の御心は積極的な折伏精神に根差すところのどこまでも人に及ぼしていく御信心でなければなりません。前田さん、あなたの御信心御奉公の姿・形は几帳面で他の信者の手本とするところですが、組長として積極的な折伏御奉公が弱かったのではないですか、それが大きな罪障になっていますよ。指導的立場にある役中に折伏精神がなかったならば、御法様の御心から外れた習い損じの御信心になり、御利益を頂くどころか成仏もままならない、御題目を唱えつつ果ては墮獄の道をたどってしまうということになります。それに御信心は家族一体のものですから、今回の奥さんのことも組長自身の大きな罪障と捉えて懴悔改良しなければいけません」とのお折伏でした。私に対しても、今まで我が強く、勝手信心をしていたこと、御信心を二の次に考えていたこと、主人に対して不満を持ち思いやりのなかったことなどを諄諄とお折伏くださいました。
御講師様のお折伏に主人も私も今までの御信心の間違っていたことを心から気づかさせて頂き、御宝前にお懴悔と改良のお誓いを言上して頂きました。御講師様はお看経の後、「安心して入院してきなさい、大丈夫ですよ」とおっしゃってくださいました。私は、それまでの不安な気持ちがふっ切れてスーッと心が軽くなりました。御法様にお任せしようと思ったら、安心してその夜はぐっすり眠ることができました。
次の日は朝九時から御講師様にお助行して頂き、十時には病院へと向かいました。病院に着いてすぐ娘と嫁が看護婦さんに、どれくらいの入院になるか尋ねたところ「術後二〜三週間、結果によっては長引くこともありえます」とのことだったそうです。それを聞いた娘たちが心配して「お母さん、こうなったらもう御供水と御題目口唱一本で後は御法様に全てお任せしようよ、薬にばっかり頼っていたらダメよ」と言ってくれました。私は昨夜の御講師様のお折伏で心が決まっておりましたので、それまで飲んでいたステロイド薬をその場で捨てました。
その日は頭のCTスキャンをとりましたが別に異常はなく、翌日、手術前の検査として再度鼻のレントゲンをとりました。ところが、なんとそのレントゲン写真には、あったはずの白い影が全く写っていなかったのです。あれだけはっきり写っていた影が消えているではありませんか。私の目にも明らかに消えているのがわかりました。医者は二枚のレントゲン写真(一月末と今回の分)を交互に見比べ、不思議そうに首をひねって「あれ? 影が消えてる! これなら別に痛い思いまでして手術する必要はないですね」と言いました。私はびっくりして耳を疑うと同時に「御利益頂いた!」と思いました。結局手術は取りやめとなり、本来なら手術の予定だった五日の午前中には退院することができたのです。本当にうれしくなって、その足で早速お寺にお参りして、御講師様にご報告し本堂の御宝前にお礼を言上して頂きました。その日の手術のお助行は退院お礼のお看経にかわり、私も一緒に感謝と随喜いっぱいの気持ちでお看経をあげさせて頂きました。ふと気がつくと、左のまぶたも自然と元に戻っておりました。
大学病院に手術のため入院しながら、三日目には何事もなく退院できたのですから、これはもう御法様のお慈悲としか言いようがありません。ただただ深く感謝いたします。本当に不思議な現証を体験させて頂きました。これからは家族共ども、御法第一に教えどおり御信心御奉公に気張らさせて頂こうと思っております。ありがとうございます。